殻を破ろうh2-icon-diary

記録的猛暑とゲリラ豪雨の八月が過ぎ、何だか急に涼しくなった。往く夏を惜しむ間もなく、日に日に秋が深まってゆくのだろう。実りの秋というが、今日までの研修を振り返ったとき、君たちはどれほどの成果を手にしているだろうか。

さて、例によってこの夏も、臨床研修上越糸魚川コンソーシアム参加施設の研修医、他施設からの研修医、それに医学生のみなさんとともに、NARS-Jを開催した。NARS-Jとは、NAvigation for Residents and Students in Joetsuの略で、「研修医、学生さん、この指とまれ。上越に集まって楽しく勉強しましょう。」という趣旨である。今年のキャッチフレーズは、「自分探しの第一歩」。

はたして当院のレジデントたちは記念すべき第一歩を踏み出すことができただろうか。この種の研修機会で成果を挙げるには、マナーというか、参加するうえでの心得があるように思う。

何よりもまず、発言することである。わかっているつもりでも、口に出してみるとしどろもどろになり、案外理解できていないものである。わかっていないことを知るだけでも意義があるが、何か喋れば、周囲が反応して違った考えを述べてくれる。こうして意見交換のキャッチボールが始まる。こうして理解が深まるのである。

この点、わが弟子たちはいかにも物足りない。失敗を恐れる気持ちはわからないでもない。が、研修医が失敗したとて、いったい何を失うというのだろう。むしろ「アイツも俺と同じだ」と共感されるきっかけになるのではないかと思うが、どうだろうか。自慢ではないが、小生などは傷だらけである。だから、君たちの講師として絶対に招きたくないのは、研修医時代の小生を知る人である(笑)。 

第二に、人の意見をよく聞くことである。よく聞くとは、批判的精神をもって、考えながら聞くということだ。相手の言うことが正しいとは限らない。その意見の根拠は何か、本当にそうなのか、自分だったらどう考えるか。そのような態度を貫くことで、理解に幅ができる。そのうえで自分の意見が異なるならば、口に出して言うことだ。相手を納得させるためには、論理的な思考力と、プレゼンテーション能力が欠かせない。それを養う絶好の機会である。

第三に、相手を尊敬することである。自分と異なる意見に対しても、それを否定せず、一度は受け入れることである。そのような態度が人間の奥行きを深くしてくれる。臨床をやってゆくうえで欠かせない資質である。

医療は一人で行うものではなく、チームで行うものである。これから君たちはチームリーダーやコーディネーターとして、医療チームで中心的な役割を果たさなければならない。それには知識はもちろんだが、十分なコミュニケーション能力、人間力を持たなければならない。

NARS-Jや教育回診は、それを養ってくれるまたとない機会である。それなのに、君たちは何故そんなに引っ込み思案なの? いささか歯がゆいのである。

ころんでもただでは起きないのがじょんのび先生である。ここまで書きながらちょっとしたアイディアを思いついたので、近いうちにそれを君たちに試してみることにする。内容は今は秘密である。当院研修医諸君は首を洗って待っているように(笑)。このコラムでも顛末を報告するので、読者のみなさんも乞うご期待である。

今日はここまで。次は稲刈りの終わる頃にお会いしいましょう。研修医たちのブログにもぜひお目通しのほどを。

 
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