最新の喉頭・気管支ファイバースコープ診断 ― 小児の咳・喘鳴について―h2-icon-trivia

喘鳴(ぜいめい)という言葉を知っていますか?

「ヒューヒュー」「ゼロゼロ」「ピーピー」といった呼吸器症状はすべて喘鳴なのですが、喘鳴とは「気道の狭窄に伴い生じる異常呼吸音」と定義されます。

吸気性(息を吸う時に聞こえる喘鳴)と呼気性(息を吐く時に聞こえる喘鳴)に分かれます。呼気性喘鳴では気管支喘息、吸気性喘鳴ではクループ症候群が代表的疾患です。

吸気性喘鳴がある時は鼻の穴から気管までのどこかに気道狭窄があると考えます。急激に悪化する疾患では喉頭蓋炎やクループ症候群や異物などがあります。慢性のものは喉頭ファイバースコープ(内視鏡検査)が有用です。

技術の進歩に伴い外径1.8mmの極細ファイバースコープが登場し、乳幼児の気道観察が可能となってきました。観察できるものとして新生児では喉頭軟化症が有名ですが、診断には慎重でなければなりません。症状に見合うだけの内視鏡所見がなければ診断すべきではないと言われています。

さて小児ファイバースコピーは主に二種に分かれます。

  1. 喉頭ファイバースコピー
    準備は不要で、数分の検査ですので外来で十分可能です。
    後鼻腔閉鎖・アデノイド増殖床・咽頭狭窄・扁平喉頭・扁桃肥大・喉頭軟化症・舌根嚢腫・血管腫・声帯麻痺・声門下狭窄・異物などの鑑別が可能です。
  2. 気管支ファイバースコピー
    全身麻酔下と局所麻酔下に分かれます。
    気管狭窄の程度や長さ、期間圧排の方向、吸気時に気管がつぶれる様子、気管支閉鎖、粘膜下出血などがわかります。
    病名では気管狭窄・分岐異常・気管支偏位・気管軟化症・カルタゲナー症候群・気道内腫瘍・異物(ピーナッツ)などです。

難しい疾患をいくつか挙げてしまいましたが、大切なのは詳細な問診(どんな咳か?湿った咳か、乾いた咳か、夜に多いのか、昼に多いのか?など)と丁寧な聴診(空気の入り具合、吸気か呼気か?など)です。咳、喘鳴などがあれば胸、頚部、副鼻腔のレントゲンをとってもらって、必要があればファイバースコープ診断がいいでしょう。

小児ファイバースコピーは例数も少なく特殊な検査ですが、長引く咳や吸気性喘鳴には有用な検査です。

上越総合病院 小児科 磯部 賢諭

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