パーキンソン病h2-icon-trivia

パーキンソン病は神経難病のうち、最もありふれた病気です。その症状は手がふるえ、手足の動きがのろくなり、動かしにくくなるのが特徴です。しかも、病気の始めの頃には、身体の片側だけに症状が出ることが多く、そのために脳卒中による片麻痺と間違えられて治療を受けていることも少なくありません。また、顔の筋肉の動きも低下して、表情が無くなり、能面のような顔に見えるため、仮面様顔貌といわれます。このような方に、抗パーキンソン剤といわれるパーキンソン病に有効な薬剤を与えると、手足の動きが見違えるように改善し、表情も生き生きと変わってきます。このように、特徴がはっきりしているために、パーキンソン病なのかどうかは、経験のある神経内科医なら患者さんが診察室に入ってきたときに一目診ただけで診断がつくと言われるほどです。

一方、パーキンソン病の方の三分の一にうつ病を合併します。うつ病の症状は気持ちが落ち込み、食欲が低下し、眠れなくなり、意欲も低下して、仕事や趣味など、それまで一生懸命にやれていたことに対して関心が無くなり、やはり、表情が乏しくなって仮面様の顔貌となります。このような患者さんに対しては、抗パーキンソン剤と同時にうつ病に有効な薬(抗うつ剤)を用いる必要がありますが、抗うつ剤の中には、パーキンソン病の症状を悪化させるものが少なくないため、薬の使い方には経験が必要です。

うつ病では、休養をとり、無理をしないことが重要ですが、パーキンソン病では、全ての筋肉が同じように動かしにくくなるのではなく、関節を伸ばす筋肉(伸展筋)が特に動きが悪く、身体の姿勢、手足の関節が次第に曲がったままになってきます。だから、毎日熱心に手足の関節のストレッチを行うことが重要ですので、症状に似たところがあると言っても治療の方針は全く反対で、症状の見極めが極めて重要です。

上越総合病院 神経内科 福原 信義

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