頭痛についてh2-icon-trivia

頭痛は大きく分けて脳の病変による頭痛と、脳の病変を認めない頭痛との二つに分類されます。両者の割合は実は1対9ほどで脳の病変による頭痛のほうが圧倒的に少ないといえます。

脳の病変による頭痛の最も有名なものに、くも膜下出血があげられます。ある日突然、頭部全体または後頭部に殴られたような激痛を発することが特徴であり、意識障害を伴うこともあります。原因のほとんどは脳動脈瘤の破裂です。
また脳腫瘍による頭痛も脳の病変による頭痛の代表です。脳腫瘍による脳の圧排が強くなると頭蓋内圧が高まり、朝方に頭部全体の強い痛みを自覚します。多くは嘔吐を伴いますが、視力低下をきたすこともあります。

また発熱や頭痛が続きまれに髄膜炎のときがあります。ウィルス性が多く点滴などで対処します。ヘルペスウィルスでは重篤な脳炎をおこすことがあります。

これらに対し脳の病変を認めない頭痛の代表は緊張型頭痛と呼ばれるものです。頭全体や後頭部が、圧迫されたり締め付けられたりするような痛みが生じます。日本人には最も多いとされやや女性に多く、肩や首のこりが原因とされます。またストレスが強く関与し、現代がいかにストレス社会であるかを反映するかの様です。治療は筋緊張をほぐす薬と鎮痛薬を併用すると徐々に緩和されます。最近は使いやすい坑うつ薬(SSRI)も開発され治療に一役かっています。

これに次ぐものが片頭痛です。脳内または頭皮血管の拡張により生ずるとされます。血管の拍動に一致した”ズキン、ズキン“とした痛みが特徴で眼前がチカチカしたり残像が見えたりする前兆を伴うこともあります。小児や若年者に多いとされ、最近つくられた選択的セロトニン受容体作動薬が著効します。

頭皮の神経にそった痛みはいわゆる神経痛と呼ばれ、後頭神経痛が有名です。また一側の顔面や口腔内に刺されたような激痛を自覚する三叉神経痛もあります。脳神経に対する脳血管の圧迫を解除する脳外科手術により治癒します。最近は蓄膿症(副鼻腔炎)や顎関節症といった他が原因の頭痛も相談が増えています。

頭痛はほとんどが良性の疾患です。しかし稀に脳疾患が隠れていることがあります。症状の改善しない場合は早めに医療機関への受診をお勧めいたします。

上越総合病院 脳神経外科 荒川 泰明

関連ページ