のどの違和感についてh2-icon-trivia

今回は、のどの違和感に関するおはなしをさせていただきます。

のどの違和感、異物感を感じて受診される方は、ほとんどの場合、ガンなど悪性のものがあるのでは?と心配されています。耳鼻科では、鼻の奥から食道の入り口までファイバースコープで観察する検査をおこないますが、ヘビースモーカーの方でなければ、悪い病気が実際にみつかることはまれです。

では、なぜのどの違和感を生じるのでしょうか?ファイバースコープでよく観察すると咽頭の粘膜がちょっと赤いかな?と思われることがあります。もしかすると、のどの粘膜にごく軽度の炎症を生じているのかもしれませんが、よくわかっていない部分も多いのです。

昔から、のどの違和感の原因のひとつにストレスが関与していると言われ、不安な気持をやわらげる弱い精神安定剤がよく効きました。女性では鉄欠乏性貧血が原因の場合もありますが、頻度は少ない印象です。

現在、もっともホットな説は逆流性食道炎(胃食道逆流症)です。これは、胃液が食道からのどに逆流し、胃酸がのどの粘膜に炎症をおこし違和感をもたらすという説です。日頃から胃もたれをしやすい、ゲップをすることが多いという自覚症状がある方は、これの可能性が高いと考えられます。

逆流性食道炎の治療には、胃酸を減らすクスリが用いられます。もっとも強力なのがプロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれるもので、これを服用して症状が改善することが診断根拠のひとつとなります。診断と治療をかねて処方してみると、胃もたれ、ゲップの自覚がない方でも、のどの違和感が改善する割合はかなり高い印象です。

胃酸が増える原因には、やはりストレスの関与が大きいと考えられますので、日常から暴飲暴食を控える、質のよい睡眠を十分にとる、ストレスのかかりやすい生活を控える、スポーツや趣味でストレスを上手に発散するなどを心がけることが大切でしょう。

最後に、もっとものどに悪いものはタバコであることを知っておいていただきたいと思います。タバコは扁桃炎などの炎症をおこすだけでなく、強力な発ガン作用があります。喫煙者と非喫煙者では、発ガン率に明らかな違いがあります。

喫煙している方がのどの違和感を訴えて受診されたときは、逆流性食道炎のことよりもまずは喫煙をやめることをお勧めしています。

上越総合病院 耳鼻咽喉科 五十嵐 良和

関連ページ