メタボリックシンドロームについてh2-icon-trivia

今日は最近話題のメタボリックシンドロームについてお話します。
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満と、それに続いて起こる一連の病的な状態をさす概念です。

メタボリックシンドロームの方では、まずおなかの中に脂肪が過剰に蓄積する状態が起こります。これは体重増加と腹囲の増加として現れます。多くの患者さんで 20 ないし 30 代にこれが起こり始めます。

次に血圧が上がります。特に拡張期血圧が高くなり、血圧を下げる薬を飲んでもなかなか正常化しません。次いで高脂血症になります。中性脂肪が高値を示し、善玉コレステロールが低値になるのが特徴です。コレステロールは必ずしも高い値になるとは限らず、正常の場合もあります。

メタボリックシンドロームが進行すると耐糖能障害が起こります。血糖値が高くなり、糖尿病やその前段階の境界型糖尿病と言われる状態になります。

メタボリックシンドロームで生じる高血圧、高脂血症、耐糖能障害のすべてが動脈硬化を進める方向で悪影響を及ぼすことに加え、最近の研究では過剰な内臓脂肪が積極的に動脈硬化を進める物質を出すとも言われており、結局無症状のうちに動脈硬化が進行します。その結果急性冠症候群(急性心筋梗塞や不安定狭心症など。しばしば突然死の原因になります)や脳梗塞などの危険な病気を発症するに至ります。メタボリックシンドロームの方では、これらの病気の確率が正常の約 30 倍になるという報告もあります。

治療法の基本は何といっても内臓脂肪を減らすことです。高血圧、高脂血症、耐糖能障害の個々の治療をしても、内臓脂肪が減らなければそれほど危険は小さくなりません。そのために必要なことはまず減量です。現代人の食べ物は一昔前よりも高カロリーのものが多くなっており、満腹でなくても過剰なカロリーを摂りすぎているのです。野菜を中心とした低カロリーの食物で満腹にする工夫をしてください。

人と比べて自分はそれほど太っていないから大丈夫といって安心しないでください。なぜなら検診のデーターでは、肥満も高血圧も高脂血症も耐糖能障害もない正常の方は 13% しかいないのです。つまりあなたの周りの人は、ほとんどがメタボリックシンドロームかその予備軍なのですから。

上越総合病院 循環器科 副院長 篭島 充

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