新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院

病理診断科

  • 概要・特色
  • 診断について
  • 医師紹介

概要・特色

多くの臨床科と関わり、診断の一部を担当しています。

病理診断科は、病理診断(病理検査)として多くの臨床科に関係して診断の一部を担当しています。

科名について

「病理診断科」は保険診療で定められた標榜科です。所定の手続きを経て定められた保険点数で病理診断料金を請求しています。当院内では病理センタ-として位置付けられています。

業務・施設・機器について

  • 2017年3月1日に病理組織診断を開始し、「病理組織診断」「細胞診断」「病理迅速診断」「病理解剖診断」の全業務が行えるようになりました。
  • 当初予定していた施設の増改築は終了し、機器も2018年度には完備されます。
    特に病理診断システム(Dr. ヘルパ-)は当院電子カルテのサブシステムで、全病理診断と付随する書類・写真が電子カルテ端末で見ることができます。特に病理診断科も参加している消化器検討会、乳腺検討会では重宝しています。

診断について

病理組織診断(病理組織検査)

患者さんから取り出された体の一部(組織検体)を、病理診断科で顕微鏡で観察できる標本(組織標本)に作り替えます。この組織標本を病理専門医が顕微鏡で観察して診断し、病理組織診断報告書を作成します。
例えば、消化器内科医が胃内視鏡を行い、必要であれば胃内面の一部を取り出し(胃粘膜生検と言います)、病理組織診断を依頼し、病理医が病理組織診断書を内科医に提出します。胃癌であれば内科医が消化器検討会に提示し、胃切除となる場合があります。外科医が切除した胃やリンパ節が病理診断科に提出され、病理医が胃癌の広がりやリンパ節に転移があるかどうか等を検索し、外科医に報告します。この病理組織診断報告書に基づいて、患者さんに治療終了か更に抗がん剤治療等が必要かどうかが説明されます。

細胞診断(細胞診検査)

患者さんの体から取り出された、或は排泄された細胞(細胞診検体)を、病理診断科で顕微鏡で観察できる標本(細胞標本)にします。この細胞標本を細胞検査士(細胞診検査の専門資格を取得している臨床検査技師)と細胞診専門医でもある病理医が顕微鏡で観察し、細胞診報告書を作成します。人の体は様々な細胞が寄り集まってできています。これらの細胞の一部は自由空間(例えば皮膚、口の中、子宮頸部等)に露出して存在したり、本来組み込まれている部分から剥がれ落ちてくる(例えば尿、喀痰、胸水・腹水の中)ため、細胞診検体として比較的簡単に患者さんから比較的容易に取り出す事ができ、細胞診検体として提出されます。これらの細胞診検体の中には正常な細胞の他に癌細胞が見つかる事があり、子宮癌検診、肺癌喀痰検診に利用されます。
例えば子宮癌検診などで子宮頚癌があるかどうかを検索する細胞診(子宮頸部細胞診)があります。産婦人科医が子宮頸部の細胞を擦り取り(擦過)、病理診断科に細胞診断を依頼します。病理診断科で腫瘍がある(扁平上皮内腫瘍/異形成)と診断し報告します。産婦人科医はこの扁平上皮内腫瘍/異形成の有無、存在部位や程度を確認するために、子宮頸部の一部を小さく切り取り(子宮頸部生検)、或は治療もかねて子宮頸部を大きく切りとり(子宮頸部円錐切除)、病理組織診断依頼をすることもあります。この後は病理組織診断とほぼ同様な経過となります。

病理迅速診断

短時間に行う迅速組織診断と迅速細胞診断があります。顕微鏡用組織標本を作る操作を短時間で行うために、特に組織標本が粗雑な出来上がりとなりやすく、診断の精度が落ちる事があります。

凍結迅速組織診断

組織検体を凍結して、短時間(約20分)で組織標本を作り、診断します。
例えば、胃癌の手術中、胃の一部を残すことができるかどうかの判断を術中凍結迅速診断で行うことがあります。胃を切除する一番端(断端)を凍結組織標本で癌があれば、このままでは胃癌が体に残ることになるため、更に大きく追加切除する必要があり、胃は残せなくなります。

迅速細胞診

細胞診検体を約20分で細胞診標本に作り、診断します。
例えば、胃癌の手術中に腹水があり、これが術中迅速細胞診検体として病理診断科に依頼される事があります。腹水中に癌細胞があれば、癌を全部取り除く試みよりも、手術後の負担を軽減する手術に変える事もあります。

病理解剖診断

不幸にして亡くなられた患者さんを、ご遺族の承諾を得て病理解剖を行う事があります。診断・治療が適切であったかどうか、病気の進行状態、直接的な死因等を検索します。殆どの病理解剖が臨床医、病理医、その他の医療職種が参加する臨床病理検討会で議論され、今後の診療、特に臨床研修医の教育に生かされています。

患者さんへのお願い

病理診断科で行う上記「病理組織診断」「細胞診断」「病理迅速診断」の診断は保険診療で、所定の点数が決められています。特に外来で病理診断(病理検査)を受けられた患者さんには、追加料金を請求する場合があります。病理医が必要な事項を追加し、生じた保険点数です。病理診断を受けられる患者さんには追加料金がある可能性についての文書、また追加料金が発生した場合には直接連絡による案内があります。
病理医が正確な病理診断を目指して発生した追加料金ですので、ご理解頂ければ幸いです。

医師紹介

病理センター長/関谷 政雄

専門領域
  • 乳腺外科、一般外科
資格・専門
  • 死体解剖資格:第4274号、厚生省
  • 病理専門医・病理専門医研修指導医:第1062号、日本病理学会
  • 細胞診専門医:第981号、日本臨床細胞学会
  • 臨床検査管理医:454号、日本臨床検査医学会
  • 日本医療安全調査機構委嘱調査支援医(関東信越ブロック)(平成28年2月1日~平成30年3月31日)
  • 臨床研修指導医:第1回上越総合病院臨床研修指導医講習会受講
  • 医療安全、医療メディエ-タ-の受講研修有り
略歴
  • 新潟大学大学院修了

スタッフについて

医師

常勤 関谷 政雄 病理診断科部長(病理センタ-長)
兼任 巻渕 隆夫 臨床検査科部長
※病理解剖で中枢神経(脳)をお願いしています
非常勤 3~4回/1ヵ月:富山大学医学部病理学教室
1回/1ヵ月:札幌医科大学医学部付属フロンティア医学研究所

臨床検査技師

常勤 5名(内 細胞検査士4名)
非常勤 1名:1日/1週
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