新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院

病院長挨拶(2018年2月)

病院長 篭島 充

平素より、当院の診療に多大なご配慮、ご支援を賜り、心から感謝申し上げます。

わたくしたちの上越総合病院は、昭和12年に地域の有志の手によって、上越医療購買組合聯合会上越病院として開設されたことをはじまりとします。その後JAの傘下に入り、地域に密着した医療を行いながら、現在に至ります。2006年に上越市旧直江津地区から現在の場所に移転新築を果たしたのちは、前病院長のもと、災害救急医療、少子高齢化対策、がん対策、予防医学を柱として診療の質の向上に勤め、診療県人口25万の上越地域を支える中核病院へと発展を遂げて参りました。そしていまや次なるステージに向けて、新たな一歩を踏み出す時を迎えています。

わたくしたちの病院は、二つの理念に支えられています。

「患者さまの権利を守り、人に優しい良質な医療を提供します」

「医療を通じて上越地域の発展に貢献します」

前者は人の痛みがわかり、困っている人に寄り添い、その力になろうとする姿勢や、寛容、公平、多様性の尊重といった、医療に求められる、いつの時代も変わらない価値感を大切にする決意を語ったものです。
後者は、厚生連病院としての当院の個性を色濃く反映しています。医療に携わる者として、みなさまの健康を守ることで地域社会を元気にしたい、そんな願いを語ったものです。

このような理念に立つ以上、上越地域の医療を守ることが当院の使命だと言えるでしょう。そのために、上越総合病院は全国標準以上の良質な医療を提供し、地域の皆さんに第一に選んでいただける病院を目指します。その実現にむけて、四つの目標を掲げます。

第一に、診療水準をさらに高めてゆくことです。上越地域の中核病院として、地域のニーズに応えることのできる、地域完結型の急性期医療を提供します。不足している診療科や、医師充足が十分でない診療科もありますので、医師の増員や診療科の増設、診療器機や業務体制の整備を進めて参ります。

第二に、地域包括ケア体制の構築に貢献することです。高齢化や社会保障費の急増を背景に、医療、保健、福祉、介護を一体として効率よく使う仕組みを地域ごとに考えなさい、というものが、国が進める地域包括ケア構想です。上越地域の現状では、急性期医療の提供が当院に期待されている第一の役割ですが、厚生連病院として、急性期を過ぎた患者さんが円滑に慢性期医療や在宅ケアに移行してゆけるよう支援してゆくことも求められています。地域連携部門の体制を強化し、関連施設と協力しながら安心して暮らせる地域づくりに貢献してゆきたいと思います。

第三に、チーム医療を推進し、全職員が一丸となった組織作りを進めます。地域のみなさまのご期待に応えるために何をなすべきか、現場からの自主的、建設的な提案を求め、実践につなげます。「何をもって貢献できるか」をキーワードに、提案された意見や方向性を共有し、その達成にむけて力を合わせる、全員参加型の病院運営をめざします。

第四に、人材の育成です。個人レベルではプロフェッショナリズムに溢れ、自主的に自分の課題を探し、学び、行動を変えてゆける職員の育成を、集団レベルでは個々の取り組みを支援するような文化を病院に根付かせることを目指します。それが職員のスキルアップやパフォーマンスの向上をもたらし、当院を利用して下さるすべての皆様に満足していただける医療につながるからです。

新年度から病院長の重責を担うことになり、その任の大きさに身が引き締まる思いです。みなさんに支えていただきながら、これらの目標に向かって邁進してゆく決意でございます。これからの上越総合病院にご期待いただくとともに、一層のご支援、ご指導を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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