2025年10月15日
こじょんのび便り 2025年第16号
先輩や周りの先生方に勧められ、襷掛け病院として上越総合病院を選びました。7月という中途半端な時期からの参加だったため、他の研修医や先生方とうまく関われるか不安もありましたが、実際に来てみると、先生方も研修医の皆さんもとてもフレンドリーで、不安はすぐに消えました。
上越総合病院で迎えた初めての救急日直では、着任して間もない中、上級医、2年目・1年目の研修医、そして私の4人体制で対応にあたりました。救急車の対応と並行して外来患者さんも次々に来院する中、2年目の研修医は診察から検査、転帰の判断、上級医への相談までをテキパキとこなしていました。1年目の研修医も、研修が始まってまだ3ヶ月ほどとは思えないほどしっかりと動き、コンサルトまできちんと行っていました。その姿を目の当たりにし、圧倒されると同時に、自分に自信を失いかけました。日直や当直に入るたびにわからないことばかりで、情けなく思うこともありましたが、そのたびに上級医や1年目の研修医、看護師さん、救急救命士の皆さんに助けていただきました。どの方も優しく教えてくださり、悩む症例には一緒になって考えてくれました。そうして、なんとか毎日を乗り越えていきました。日中はローテーション先の各科で毎日新しいことを学びながら、以前に学んだ知識を実践することで、少しずつ自分の成長を感じられるようになりました。病院のルールにも慣れてきて、先生方やコメディカルの方々にも名前を覚えてもらい、声をかけていただけるのが嬉しかったです。
水曜日と金曜日の勉強会では、実際の症例をもとにした学びの機会があり、とても貴重な時間となりました。仕事終わりに上級医や研修医の先生方と一緒にご飯を食べたり、ボードゲームを楽しんだりしたことも、とても良い思い出です。
気づけば、あっという間に襷掛け研修の終了が近づいていました。振り返ると失敗も多くありましたが、それ以上に多くの学びや、できるようになったことがありました。来たばかりの頃に失いかけていた自信も、少しずつ戻ってきていました。
そんな中、最後の最後に悔しい経験をし、さまざまな職種の方々に助けていただきました。そのとき、先輩医師から「俺らはリカバリーのためにいるから大丈夫。お疲れ。」と声をかけられ、「自分もこんなふうになりたい」と心から思いました。
上越総合病院は、教育に非常に熱心で、人と人とのつながりを大切にする温かい雰囲気のある病院でした。また、目標としたい理想の医師像に数多く出会うことができました。このような素晴らしい環境で研修を受けることができたことに、心より感謝しております。