2024年11月12日
肌を刺すような冷たい風を吸いこみ、上越に来てからもう2度目の冬を迎えるのかとしみじみしております。新潟県中、いろいろな病院を見学して、一番気に入った当院に就職した春、医師免許を得てお役に立てる喜び、毎日新しいことだらけでなんてことはない作業に夜遅くまで時間がかかっていた日々がつい先日のように思われます。しかし、なんでも教えてくれた先輩方は卒業され、新しい1年生がたくさん入りにぎやかになり、そしてその1年生も当直の時に頼りになる医師になりました。時の過ぎる速さに老いを感じています。 同期達は将来を決め、各々の道にまっすぐと進んでいます。得意とすることがそれぞれ違うので、日々の診療で気になったことや分からなかったことを研修医室で教えてもらっています。後輩たちもみんな優秀で個性豊かなので、診療のこと、プライベートのこと、たくさんお話をして、医学的なこと、日常的なことなどたくさん学ばせてもらっています。 研修医生活でのハイライトはやはり当直だと思っています。研修医同士で話し合う話題も半分くらい当直がらみですし、24時間365日私たちが救急外来のバトンをつないでいっているのが面白いなと感じています。1年半過ごすと、救急外来で一緒に働く救命士さんや看護師さんで、初対面の方がほとんどいなくなります。救急車で搬送に携わっている救命士さんの顔も覚えてきます。そして、患者さんも何度目かお会いする方が増えてきます。お互いを知っているので救急外来で少し待ち時間ができたときなどは患者さんとも医療従事者とも話に花が咲きます。私がこの病院を選んだ理由も、ここの救急外来であれば成長できると思ったからでした。コメディカルの方々も上級医の先生方も皆とても優しく、本当にたくさんのことを学ばせていただいています。この雰囲気の良さが医療を行う上での円滑なコミュニケーションにつながり、安全な医療へとつながっていると思っています。先日も当直で温かい気持ちになり、当院を選び、選ばれてよかったと何百回目かの感情をいだきました。 毎週楽しみな当院の日当直ですが、残すところあと半年を切りました。よくしていただいた方々とお別れするのはとても寂しいです。まだまだ学び足りないことが多いので、机での勉強だけでなく、他の方の仕事する背中、姿勢からも学ばせていただき、もっとお役に立てるように努めたいと思います。
2024年11月07日
毎年上越保健所に出向き、保健や医療行政を学んでいます。 1年次研修医の研修の様子が11月7日(木)の上越タイムズ(地方紙)朝刊 に掲載されました。 児童福祉・医薬薬事対策・衛生行政の役割・感染症対策など、様々な施設で 学んだことを今後に活かしてほしいと思います。
2024年11月06日
秋の火災予防運動に先立ち、当院で防災訓練が行われました。 地震に伴い院内で火災が発生 というシナリオで、研修医が「統括本部」役として参加しました。 寒くなってきました。皆さま火の元、暖房器具には十分に気をつけましょう!
2024年10月21日
この週末、高田駅周辺では越後・謙信SAKE祭りで盛り上がるなか、 当院でもなかなかアツイコースを開催しました。 この「CPVSコース」は多数傷病者対応を想定したシミュレーショントレー二ングで、 バイタルサインからの臨床診断を実践できることが目標です。 多数傷病者を想定した救急対応を2日間かけてじっくり学ぶことができました。 入江先生と吉田先生のテンポの良いレクチャーは年々パワーアップしている気がします! 着実に力をつけた参加者からは「次はファシリテーター参加で!」という声もあり、大満足のご様子でした。 インストラクター、ファシリテーターの先生方ありがとうございました。
2024年10月15日
10月9日(水)講師に聖路加国際病院の藤川葵先生をお迎えし、イノベーションレクチャーを開催しました。 「しなやかに、粘り強く 医師の私が医師の未来を創る世界を経験して…」と題して、 医師の働き方改革に尽力された、藤川先生の仕事の取組み方や原動力をお話いただきました。
2024年09月24日
9月22日、日本内科学会信越支部主催、第155回信越地方会が開催され、 若手奨励賞プレナリーセッションで、当院研修医が演題発表しました。 演題「腎動脈解離を契機に発見された血管型Ehlers-Danlos症候群の1例」 最優秀賞の受賞、まことにおめでとうございます!
2024年08月29日
研修医2年目のぼやき 「穴は埋まった?」 こう聞いてくるのは、循環器内科医F先生である。 昨年度は心の穴(いろいろあった)、肺の穴(気胸)、タイヤの穴(パンク)など、数々の「穴」に悩まされた。冬には1か月間で新型コロナウイルスとインフルエンザに罹患し、ボロボロになりながら最速で有給を消化した。まさに、”ツイてない”一年だった。 そんな私は、常にぼーっと生きていたい人間だ。一日中家にいるのは苦ではなく、コロナ禍でのステイホームも何のストレスもなく過ごせた。虚空を見つめ、何を考えているのかわからないまま、気づけば数時間が過ぎていることもよくある。そんな私の趣味は、ぼーっと音楽を聴くことである。誰も知らないような素敵な曲を見つけては、小さな優越感に浸っている。今の時代は“サブスク”が流行しており、これさえあれば、簡単に時代も国も飛び越えて、あらゆる曲にアクセスできる。便利なものだ。しかし、一度深い音楽の海に入るとなかなか抜け出せない。新たな音楽を知れば知るほど、一生かけても絶対に聴き切ることはできないだろうと感じる。医学の海も、同じなのだろうか。 ぼーっとしていたいが、現実はそう甘くない。年明けからの9週間、救急外来の研修医は私1人だけだった。常に忙しさに追われ、ぼーっとする余裕なんて全くなかった。能力が圧倒的に足りず、自分のした決断で後悔することが何度もあった。このときに感じた「穴」は、自分の経験不足や知識の足りなさだった。真冬の救急外来で、何をどうすれば良いのか分からないまま、必死に「穴」を埋めようとしていた。 昨年度はツライことが多かった。それでも周りのサポートに支えられ、なんとかやってきた。 4月に後輩を迎え入れてから、早くも5ヶ月が経った(執筆時点)。今年度はどうだろうか。 後輩たちのエネルギーには驚かされる。いつも元気で明るく、研修医室の雰囲気を存分に作っている。電子カルテは後輩でほぼ埋められ、キーボードを叩く音が絶え間なく響いている。「先生、これってどうするんですか?」「このケースって、どのようなことを考えたらいいんでしょうか?」などと質問攻めされることもしばしば。なんとか答えられたり、答えられなかったり。わからないときは後輩と一緒に調べる。答えた後は「言ったこと間違ってなかったかな…」と必死に調べて情報の裏付けをする。冷や汗をかきながらも、とても勉強になる瞬間だ。後輩に尻を叩かれている気分である。 そんなことをしていると、病棟看護師から電話がかかってくる。大抵は私の不手際で病棟が困っている内容だ。なんとか対応すると、今度は上級医からの着信が鳴り、新たな仕事が舞い込んでくる。ぼーっとしている暇はどこにもない。 ふと研修医室の壁に目を向けると、食事会や旅行の記念写真がズラリと並んでいる。登場人物のほとんどが研修医1年目だ。そう、今の主役は圧倒的に1年目なのだ。後輩から飲みや食事に誘われることも多い。後輩たちのおもしろおかしい話で笑わせてもらい、先輩としてお金を多く払うことしかできない自分に気づく。これで良いのだと思う自分もいるが、もう少し存在感を上げていかないと。 ぼーっとする暇なんてない。 それでも、こんな日々を心から楽しめる自分がいる。もともとの性格を考えることもあるが、きっとこれで良いのだろう。周りに感謝しながら、忙しい日々を過ごしていきたいと思う。 つい先日は初めての同期旅行をした。今年度は今のところ順調だ。 ・・・ 「穴は埋まってきました。」 順調なときほど、落とし穴にハマるものである。 p.s. 双六診療所(標高2,600m)にボランティアに行ってきました。登山客の高山病やこむら返り、靴擦れなど、ふもとの診療ではできない貴重な経験をしてきました。
2024年08月07日
8月6日県立直江津中等教育学校の生徒さん9名の皆さんが医師体験で来院されました。 オリエンテーションのあとに、篭島病院長との懇談会を行いました。 ・上越地域の医療情勢について ・医師としてやりがいを感じる瞬間は? ・上越総合病院の強みは? など、生徒さんからの質問に篭島病院長が回答しました。 事前に上越地域の医療を勉強してきた様子が質問に表れていました。 午後からは、藤田副院長からの外科レクチャーに研修医と一緒に参加しました。 生徒のみなさん、お疲れさまでした。 感染対策にもご協力いただきありがとうございました。 またいつかお会いできることを楽しみにしております。
2024年07月15日
7月13日、THE RESIDENT CIRCLE不識庵の研修イベント 「ゴータム・デシュパンデ先生によるケースカンファレンス」が糸魚川総合病院で開催されました。 最初少し緊張した様子の研修医もいましたが、すぐにゴータム先生のわかりやすいレクチャーに引き込まれていました。
2024年07月08日
私は幼少期、ツバメになりたいと思っていた程ツバメが好きなのですが、ツバメのネタを同期に先取りされてしまったので、不本意ながら他の話題について書くことにします。 自分が国家試験の勉強をしていた頃を思い返すと、早く上越総合病院で働きたくて、このレジデント日記を読み、モチベーションを高めていたことを思い出します。 私が最初に上越総合病院に出会ったのは大学5年の秋、選択実習の最初に循環器内科で1カ月実習をさせていただきました。選択した理由は、新潟に少しだけ住んでいたことがあったのでその懐かしさと、県外の病院もみてみたい、という軽い気持ちからでした。ですが実際に来てみると、院長の篭島先生をはじめ、研修医、上級医、コメディカルの方々まで優しく、教育熱心で温かい雰囲気に溢れていることに感動しました。その後、10箇所程度の病院を実習や見学で訪れましたが、上越総合病院以上に自分が働きたいと思える病院には出会いませんでした。大学最後の実習で再び上越総合病院の救急科で1カ月実習をさせていただき、やはり自分が初期研修を行う病院はここしかない、と確信してマッチングを受けました。 無事にマッチングが決まったときは、比喩ではなく本当に泣いて喜びました。上越総合病院を知らない周りの人は「何がそんなに良いの?」と不思議がっていましたが、正直に言うと直感としか言いようがないような、「とにかくこの病院に行きたい」という強い気持ちがありました。 実際に研修が始まってみると、やはり学生の時とは違った責任や緊張感があり、落ち込んだり不安になったりすることもありました。ですが、「この病院を研修先に選んで良かった」という気持ちは変わりませんでした。 元々言語化することは苦手ですが、研修医になってその重要性を再認識していますので、当院での研修の良い点を言語化してみると「ポジティブな空気感」ということになるかと思います。研修医の仲間は皆向上心があって仲が良く、上級医の先生方も純粋に教育しようという気持ちで真剣に向き合って下さいます。コメディカルの方々も研修に協力的で、慣れていなくて手間取っていても辛抱強く見守っていて下さり、時にはプロのアドバイスも下さいます。 初期研修も先が見え始め、今後の進路を考える時期に差し掛かっています。「いずれは地域医療にも携わりつつ、患者さんを丸ごとみられる医師になりたい」という初心を忘れず、幅広く興味を持って勉強を続けていきたい所存です。不安や寂しい気持ちもありますが、研修医という貴重な「今」を大切に、感謝の気持ちをもって残りの研修に取り組んでいきたいと思います。 追記 当院のポジティブな内容ばかり書きましたが、あくまでも個人の感想で、病院の回し者ではありませんのでご安心ください。