新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院

初期臨床研修

2014年01月07日

あけましておめでとうございます

みなさんはどんな気持ちで新しい年を迎えたことでしょう。六年生は間近に迫った国家試験のことが頭から離れなかったかもしれません。五年生は研修先をどこに決めるか、四年生はどうやって研修先を決めるか、もろもろ考えながら過ごしたかもしれませんね。

さて、わが研修医たちです。年末年始は研修医にとって貴重な休暇の時間、休んでも誰にも意見される筋合いのものではありません。とはいえ、日直に、当直に、あるいは受け持ち患者さんの様子を見に、自主的に病院に顔を出している研修医の姿をたくさん見かけました。見上げたものです。

小生も元旦の日直を努めましたが、忙しい思いをした働き初め(?)でした。典型的な神経根症状を伴う坐骨神経痛の患者さんが来て、一緒に当直したP子にとってはラッキーだったことでしょう。T男は当直で初めてのCPRを経験したそうです。重症をよく引き当てると評判のO太は、やはり別の患者さんのCPRに遭遇しました。患者さんや家族の痛み、悲しみの上に君たちの研修があるのです。手間を惜しまず、汗をかいた分だけ経験値が高まります。今年も皆にとって実り多い一年であることを願わずにはいられません。

さて、研修の成果を挙げるには、経験するだけではなく、それを反省、分析し、シンプルな形にして心に落とし込む作業が必要です。省察と言ってもいいかもしれません。省察したことを言葉に出して話してもらう。それに対する仲間や指導医の意見を聞き、さらに理解を深める。このような過程を意識して、昨年暮れから、プロフェッショナリズムというテーマで学習会を始めました。

こちらで提示したシナリオに沿ってロールプレイをしてもらい、その後こちらの用意した質問に対してグループディスカッションを行います。質問は問題提起型の内容で、数は最小限にして、ディスカッションのための時間を充分に用意します。ディシカッションの結果を板書して、発表してもらいます。用意された正解はありません。皆で正解を見つけ出そう。そんなつもりでやっています。

今の研修医はおとなしい、あまり考えたがらない、話したがらないというイメージがあったので、うまくいくかどうか不安でしたが、始めてみれば杞憂でした。みんな一所懸命に議論してくれるし、真剣に考え、発表してくれる。なんて素直なんだろう、と可愛いらしくなってしまいました。

彼らは難しい時代に医師を志したけれど、この真剣さと情熱さは、一人の医師としてやってゆけるだけのポテンシャルを充分に感じさせるものです。それだけに、彼らが正しく成長してゆけるようなサポートを、われわれ指導する側もしてゆかなければなりません。それが出来るように自分を変え、成長させてゆかなければならない、とも言えるでしょう。

そんなわけで、小生も正月からそのためのテキストを読んでいます。辞書を片手に、研修医になった気分で過ごしております(笑)。

今年初めて、まだ誰もいない研修医室に足を踏み入れたとき、そこには希望が満ちているように感じました。よい一年となりますように。

 
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