新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院

初期臨床研修

2014年06月02日

暑い、熱い五月

日本はいったいいつから二季化(四季ではなく)したというのか。風薫る五月、早苗の揺れる五月のはずなのに、とにかく暑い。小生のような年輩になると、気候の変化に体調がついてゆかず、いささかグロッキーである。

さて、この四月から研修を始めた一年生たちは、さすがに若い。暑さ大歓迎とばかり、日々熱く過ごしているようだ。まだ研修開始後二か月とたたないが、すでにいろんなことを経験したはずだ。

オリエンテーション。今年から研修医だけでなく、全新人職員を対象にプロフェッショナリズムの話を始めたが、頭に残っているだろうか。研修ハンドブックを片手に、臨床研修のあらましを説明した。経験の一つ一つを研修医手帳に記録しているだろうか。

教育回診。こじょんのびのブログにもあるように、自治医科大学のアラン・レフォー先生をお招きして、周術期の患者のケアの要点を学んでもらった。ちょっと流暢すぎる英語だったけれど、どの程度理解できただろうか。Review of systemやバイタルサイン、身体所見から臨床推論をする筋道のABCをディスカッションしたはずだが、手ごたえはどうだっただろう。

日々の研修で患者さんに接するようになったことは言うまでもない。今まではマイペースで、自分の関心や興味を羅針盤にして毎日過ごしていたかもしれないが、患者さんのニーズやそれぞれの診療科のスケジュール、指導医の指示など、「こうしてほしい」「こうあってほしい」という周囲の要請に応えて時間が過ぎてゆく生活に変わったはずだ。何もわからずただただ忙しいけれど、きらきらと輝くものに満ちあふれた、濃密な時間を過ごしているに違いない。

研修はまだ始まったばかりである。これからの一年間で、抱えきれないほど多くの、貴重な経験をするはずだ。二年生を見ればそのことがわかる。一年生には雲の上の存在に映るかもしれないが、去年の今頃は、彼らも彷徨える子羊のようだったのである(笛吹けど動かぬ竹やぶだという意見もあったが(笑))。

すくすくと成長してほしいから、一年生に次のことをお願いしたい。もちろん二年生も、もう一度心に刻んでほしい。

ちゃんとご飯を食べること。規則正しい生活をすること。夜更かしよりも早起きする生活の方が、日中のパフォーマンスは高まるだろう。

素直であること。頑固にならず、一度は先人たちの助言を聞き入れ、試してみることが素直ということである。

毎日十分(enough ではなく、ten minutes です)でいいから、勉強すること。その習慣を身につけることのなかった小生のような苦労を、君たちは味わってはならない。

そして、一日の終わりに、かならずその日を振り返ること。楽しかったか、辛かったか。何が出来て、何が出来なかったか。夜が明けたら、自分が行うべきことは何か。あしたのための省察。それこそが成長の鍵である。

ともに励もう。

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