新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院

2022年06月14日

レジデント日記

こじょんのび便り!2022年第3号


期待と不安の入り交じる中始まった初期研修もあっという間に2ヶ月が経ちました。
私はこの2ヶ月間、志望科である小児科で研修をさせていただきました。カルテの使い方にもまだ慣れない中、日々新しい知識を身につけていくことはとても大変でしたが、小児科の先生方の温かいサポートのおかげで楽しく充実した研修を送ることができました。
 
小児科での研修が始まって1ヶ月ほど経ったある日、外病院での外来研修から帰ってくると、私の机の上に1枚の紙が置かれていました。
紙に印刷されていたのは病院へ届いた一通のメール。
外来でファーストタッチさせていただいた3歳の女の子のお母さんからのものでした。
一緒に対応していただいた指導医の先生への感謝だけでなく、驚くことに私へのメッセージも書かれていたのです。
 
「娘の緊張をほぐそうと一生懸命診察にあたってくださり、患者の気持ちに寄り添ってくださる優しい先生でした。ぜひ今後の小児医療でのご活躍を期待しております」
 
この言葉を見た時、涙があふれそうになりました。
 
私は中学生時代、不登校でした。親に病院へ連れて行かれ、その都度事務的に原因を詰問される。自分が責められているようで、不登校の原因となった出来事を話せるほど心を許すことはできませんでした。
そんな中、ある病院の小児科を受診することになりました。どうせまた同じように詮索されるだけなのだろうと思っていましたが、小児科の先生は世間話を交えながら、温かく話を聞いてくださいました。子供ながらにこの人になら話してもいいと思えたのでしょう、泣きながら不登校の理由を打ち明けていました。そして原因を聞いてなお、「無理に学校に行く必要はないよ」と言ってくださいました。
この先生に会えなければ、確実に今の私はいないでしょう。生きてすらいないかもしれません。だから私はこの先生のような、患者さんの気持ちに寄り添える小児科医になろうと決意しました。
 
そんな私が、「患者の気持ちに寄り添ってくださる優しい先生」と言っていただけた。それも小児科の研修中に。
これ以上の喜びはありません。
 
このようなメールをいただけたのは、指導医の先生方の温かい人柄とご指導の賜物です。この場をお借りしてお礼申し上げます。
今回の出来事を胸に刻み、今後も患者さんに寄り添えるよう驕ることなく精進していきたいと思います。

                                   
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