お知らせ
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2013年07月01日
レジデント日記僕らは学ぶ
六月も末。今のところ当地は明らかな空梅雨で、文字通り水無月の風情である。前回予告のとおり、研修医自身の声を披露するコラム(さしずめ「子じょんのびの声」)をオープンすることになり、アップされるの首を長くしていたが、なかなか原稿が集まらないようだ。彼らも忙しいし、照れ屋ばかりときている。今しばしのご猶予をいただくとして、今日のところは小生の独り言にお付き合い下され。 来月には、何と二回にわたって外国人指導医の教育回診がある。八月には恒例のNARS-Jも開催される(これらイベントの詳しくは、病院ホームページ「トピックス」をご覧ください。医学生諸君も参加できます。ぜひぜひ、お誘いあわせの上多数ご来場ください!)。研修医にとっては忙しくもステップアップのための夏である。 それに先立ち、小生、先月から研修医向けの心電図レクチャーを始めた。週に一回、ホワイトボードに刺激伝導系の絵を書きながら、心電図の成り立ちを説明する。病的な心電図が刺激伝導系のどこに異常があって生じるのか、そのメカニズムを解説する。その結果としてどんな波形になるのか、とにかく理屈を十分に説明するように心がけている。 いったい、心電図が苦手な人が多すぎる。その原因は、心電図波形ばかりを見ているからである。心電図を読むには、刺激伝導系で何が起こっているかをまず理解することである。波形はその結果生じるものである。そこにはルールがある。それさえ押さえれば、氷が溶けるように心電図がわかるようになる(はず)。今年の一年生も心電図が得意だという強者は誰一人いないが、皆楽しそうにしてくれている。 「画像と心電図は超苦手です。」こう公言してはばからないK次郎も、ときどき眉間にしわを寄せつつも、頷きながら聞いている。ありがたや。心電図を学びたい学生さんは、ぜひ遊びに来てレクチャーの雰囲気をご覧あれ(当院で研修していただければ一番良いですが)。 今年はそのレクチャーにちょっとした仕掛けをした。小生が英語で喋ることにしたのである。何のことはない、外国人指導医の教育回診に向けて、度胸をつけるためである。 小生は外国で暮らしたこともないし、はっきりいってかなり怪しい英語しか話せない。超ブロークンを聞かされる方はたまったものではないだろう(笑)。が、以外な効果があった。日本語で喋っているときよりも、研修医の視線が熱を帯びている。きっと聞き漏らすまい、理解しようと一所懸命になってくれているのだ。そう、それそれ!そうやって患者さんの話も聞くのだよ。それから、小生も何とか理解してもらおうとテンションが上がる。言葉が不自由な分だけ、ジェスチャーが加わり、図をふんだんに描く。中には英語で答えようとする輩も出てくる。コミュニケーションの本質的な部分に触れた気がする。あっという間に二時間ほどが過ぎる。終われば皆ぐったりである。しかし笑顔が爽やかだ。 こんな感じでわれらが子じょんのびたちは日々成長している。レクチャーも心電図だけではなく、経験目標に挙げられている症候別に、週一回当番を決めてクルズスが行われている。指導医も参加するが、研修医が自分で調べ、仲間にプレゼンする。準備は大変に違いない。だが、その苦労が血となり肉となるのだ。 がんばれ、みんな! 少しずつ自信をつけて、胸を張って教育回診を受けよう。そして、楽しいNARS-Jを迎えよう。でもその前に、コラムの原稿を仕上げてちょうだいな(笑)。
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2013年06月20日
セミナー情報『アメリカの‘The ドクターG’による症例検討会・教育回診』開催決定!!
講師 Sanjay Saint 先生 ミシガン大学医学部 一般内科 教授 「セイントとフランシスの内科診療ガイド」原著者 日時・会場 日時 会場 7月10日(水)13:30 ~ 17:00 上越総合病院 3F 会議室 7月11日(木)9:30 ~ 12:00 ※ 同日は医学生の病院見学・面接もお受けします。参加をお待ちしています。
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2013年06月20日
お知らせ高田高校生医師体験講座の実施
6月10日(月)に新潟県立高田高校の1~3年生17名の生徒さんが、当院の「医師体験講座」に参加されました。 各診療科の先生方に1日同行してもらい、実際に医師が診療する姿を目の当たりにし、医師の高い職業倫理を知っていただく講座です。将来、医師を志す生徒さんの今後の学習意欲向上に資することを目的としています。 今年で5年目を迎えたこの講座を体験してひとりでも多くのドクターが生まれることを期待しています。
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2013年06月20日
セミナー情報外国人講師による教育回診開催決定
今年もゴータム先生がやってきます。 臨床研修指導医・研修医を対象とした研修会を企画です。ぜひ、ご参加ください。 医学生さん大歓迎!当院の病院見学を兼ねて参加してみませんか。 講師 GautamA.Deshpande,M.D(デシュパンデ・ゴータム 先生) 米国大使館 医務課 内科医 日時・会場 日時 会場 7月20日(土)14:30~17:30 上越総合病院 会議室 同日、18:30より懇親会を設定します。会場は後日連絡。 7月21日(日)9:30~12:00 糸魚川総合病院 医局カンファレンス室 申込み先 上越総合病院 教育研修推進室 事務局 佐藤 電話 025-524-3000 / FAX 025-524-3002 e-mail: rinsho@jouetsu-hp.jp
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2013年06月12日
セミナー情報NARS-J 2013 サマーラボラトリー Navigation for Residents and Students in Joetsu 2013 ~研修医と医学生のための、体験型学習プログラム~ のご案内
日時 日時 会場 8月9日 藤田保健衛生大学 総合救急内科 准教授 岩田充永先生 講演「リアルERワールドを楽しもう!!」 8月10 〜 11日 上越・糸魚川コンソーシアム指導医によるsimulation laboratory 亀田総合病院 笹野幹雄先生の教育回診 会場 新潟県立中央病院(8月9日 ~ 8月10日 午前) 鵜の浜温泉 鵜の浜ニューホテル(8月10日 午後 ~ 8月11日) 参加費無料、宿泊費、交通費をご用意いたします。(コンソーシアム規程による) 主催 臨床研修上越・糸魚川コンソーシアム 申込み・問合せは下記までお願いします。 上越総合病院 総務課 佐藤 〒943-8502 新潟県上越市大道福田148-1 電話 025-524-3000 e-mail: rinsho@jouetsu-hp.jp
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2013年06月05日
お知らせ上越医師会学術講演会「肺癌診療の進歩」を終えて (本間Dr)
5月15日に肺癌診療に関わる講演会が当院を主体に開催されました。当日は100名を越えるたくさんの方にご来場いただき、上越医師会をはじめ関係各位に深く感謝申し上げます。 講演会のテーマは「肺癌診療の進歩」で、呼吸器内科、放射線治療科、呼吸器外科の3科が講演いたしました。いずれも肺癌治療の最先端を紹介する内容で、その治療を『上越総合病院』で受けることが出来ることをご理解いただけたものと思います。 ここではご来場いただけなかった方に向けて、要点をお書きしたいと思います。 (1)「内科における肺癌治療の現状と最新情報」 当院 呼吸器内科 市川紘将 医長 肺癌の内科的治療に関して、過去10年間で最も進歩したことが大きく2点挙げられます。一つは分子標的治療薬が登場したこと、もう一つは非小細胞肺癌の治療が組織型(腺癌、扁平上皮癌など)によって異なるようになったことです。 これまでの治療方針は、小細胞肺癌か非小細胞肺癌かで異なりました。最近では非小細胞肺癌の中でも、より詳しい組織型と遺伝子変異の有無が治療方針を変える重要な要素になりました。特に分子標的治療薬は、遺伝子変異を調べなくては適切な処方をすることができない薬剤です。組織型と遺伝子変異に合わせて適切な治療薬を選択することは、肺癌の治療成績を大きく向上させることにつながります。 当院では最先端の治療薬を適切に投与するため、確実かつ詳細な検査を心がけています。 (2)「最先端の肺癌放射線治療;定位照射と今後の動体追尾照射について」 当院 放射線治療科 江部和勇 部長 放射線治療とは腫瘍に向かって放射線を照射することで、腫瘍を壊死させ縮小・消滅させる治療です。 肺癌の場合、呼吸によって腫瘍が移動するため、いかにして腫瘍の位置を把握し、放射線を的確に照射するかが課題でした。この課題に対して、従来は照射領域を広めに設定し対応してきましたが、最近では技術の進歩に伴ってリアルタイムに腫瘍の位置を捉えることが出来るようになったのです。 当院は世界最新鋭の放射線治療装置を導入し、より正確な放射線照射を行える日本でも数少ない施設です。 (3)「呼吸器外科領域における低侵襲手術」 富山大学附属病院 呼吸器一般外科 土岐善紀 診療教授 呼吸器外科領域の低侵襲手術とは、いかに骨・筋肉・神経を障害させないかがポイントになります。なぜならばこれらが呼吸を司る大事な要素であり、手術後に大きく影響するからです。富山大学附属病院では低侵襲手術である「完全胸腔鏡下手術」を2002年から開始し、10年以上の実績があります。 肺癌の外科治療は古くから「肺葉切除術および所属リンパ節郭清」です。多くの施設でこの手術を「胸腔鏡下手術」と呼ばれる方法で行っていますが、実は世界も日本も多くの施設が「開胸」を併用して行っています。 富山大学附属病院では2002年より開胸を行わない内視鏡操作だけ(完全胸腔鏡下)で肺葉切除術および所属リンパ節郭清を行っています。10年以上の培った歴史のなかで、傷や疼痛が少ないことはもちろん、治療成績においても良好な結果が得られています。 また、肺癌以外の分野、たとえば縦隔腫瘍の分野でも、 内視鏡操作だけの「完全胸腔鏡下」手術を行っております。胸骨正中切開とよばれる胸の真ん中にある骨を縦断することなく手術が可能です。この術式に関しても4年以上の歴史があり、良好な結果が得られています。 今回紹介した手術手技は4月から開設した上越総合病院でも本間医師のもとすでに実践されています。 以上、当院の肺癌診療に関わる3科はいずれも日本最先端の診療を日々実践しています。肺癌に関して診療を希望される方は、お気軽に当院を受診・相談下さい。
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2013年06月03日
レジデント日記初夏の教育回診
風薫る五月、の筈であったが、今年はAMIや重症下肢虚血の患者が多く、小生も本業が忙しい。おかげでこのコラムも少し間が空いてしまった。すみません。 さて、昨日、本日の二日間にわたり、臨床研修上越・糸魚川コンソーシアム主催の教育回診が行われた。今回の講師は浦添総合病院の入江聰五郎先生。研修医のバイブルともいうべき、「バイタルサインからの臨床診断」の著者であられる。コンソーシアムを構成する研修病院から二十名ほどの研修医が集まり、昨日は糸魚川総合病院、本日は当院で、それぞれの研修医が自分の経験した症例をプレゼンテーションした。その内容に沿って、さまざまな切り口でディスカッションしながら、診断に向けての臨床推論をしてゆく、得難い機会である。 さて、当院の研修医たちには、どうように映ったのだろう? -診断に至る考え方の筋道が面白かった。でも、自分ひとりではまだその道を描けそうもない。 話題についていけない部分もあった。自分の知識が足りないことがわかりすぎて、へこんでしまった。でも、頑張らなくちゃと思えたのが収穫だった。 前回の教育回診のときと比べて、内容が理解できたり、議論の先が予想できたりしたところもあって、少しは自分も進歩しているのかなと思った。嬉しかった。 発言したいと思っていたが、参加者の数が多くて気おくれしてしまった。もう少し少人数でやれればもっとよかったかもしれない。 プレゼンテーションをしたが、自分は診断の正解を知っているので、みんながどんな意見を言うのか、どうやって診断にたどりつくのか、わくわくしながら話を聞いていた。プレゼンの準備は大変だったけれど、身体所見のところで「いい研修をしているね」とほめてもらえて良かった。楽しかった。 楽しみにしていたが、期待どおりだった。まだまだ考え方も知識も不十分なので、もっと勉強しなきゃと思った。頭がパンクしそうになりました。 難しかった。自分なりに一所懸命頭を使ったけれど、途中でフリーズしてしまうところもあった。もっと頑張らねば、と思いました。 発言や質問をしている仲間を見ると、すごいなーと思った。人によって力量に差はあるけれど、施設による差はないと思いました。 さもありなん。何もないところに道を作るために、こういう機会を設けてトレーニングをするのである。失望することはない。自分の課題が見つかったり、頑張らなくちゃと思えたりしたなら、それが収穫である。今回の印象が残っているうちに、わが病院でも定期的にプチ教育回診をしようではないか。入江先生の足元にも及ばないが、小生も司会進行役が務まるように、一緒に勉強したいと思う。 この種の催しを開催するには、縁の下の力持ちが欠かせない。陰に日向に無理難題を解決してくれる、いつもすてきな笑顔のお二人、石坂さんと佐藤さんに心から感謝したい。ありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。 さて、このコラムも一年が経過した。一部に熱心な読者もいるようで(?)、ありがたいことである。しかし、指導医目線の話題だけでは、学生さんや研修医諸君にはいささか食い足りないであろう。そのようなわけで、六月から、当院研修医たちにもコラムを書いてもらうことにした。さしずめ「子じょんのびたちの声」である。乞うご期待!
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2013年06月03日
お知らせ講演会開催報告について
上越医師会学術講演会 ~ がん診療連携講演会『肺癌診療の進歩』 基調講演 座長:新潟県立中央病院 副院長 末山博男先生 「内科における肺癌治療の現状と最新情報」 上越総合病院 呼吸器内科 医長 市川紘将先生 「最先端の肺癌放射線治療: 定位照射と今後の動体追尾照射について」 上越総合病院 放射線治療科 部長 江部和勇先生 特別講演 座長:上越総合病院 副院長 篭島充先生 「呼吸器外科領域における低侵襲手術」 富山大学附属病院 呼吸器一般外科 診療教授 土岐善紀先生
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2013年05月14日
セミナー情報沖縄 浦添総合病院 入江聰五郎先生の教育回診・レクチャーのご案内
沖縄 浦添総合病院 入江聰五郎先生の教育回診・レクチャー 日時 会場 5/30(木)13:30~ 糸魚川総合病院 医局カンファレンス室 5/31(金)9:30~ 上越総合病院 3F 会議室 ※ 病院見学を兼ねた医学生の参加も可能です。 申込み 申込は下記までお願いします。 上越総合病院 総務課 佐藤 〒943-8502 新潟県上越市大道福田148-1 電話 025-524-3000 FAX 025-524-3002 e-mail: rinsho@jouetsu-hp.jp
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2013年05月14日
セミナー情報上越・糸魚川コンソーシアム主催 NARS-J2013 上越サマーラボラトリーのご案内
亀田総合病院 笹野幹雄先生による教育レクチャー 日時 会場 8/10(土)~11(日) 鵜の浜ニューホテル ※ 合宿形式の研修です。 ※ 夏期病院見学を兼ねた医学生も参加可能です。 申込み 申込は下記までお願いします。 上越総合病院 総務課 佐藤 〒943-8502 新潟県上越市大道福田148-1 電話 025-524-3000 FAX 025-524-3002 e-mail: rinsho@jouetsu-hp.jp