2014年08月25日
猛暑の七月、台風と豪雨の八月。おかしな夏の天気も恒例になりつつある気がします。小生のような年輩にとっては、気候の変化は正直言ってこたえます。そんなわけで前回のコラムからまたまた時間が空いてしまいました。申しわけありません。 さて、このひと月半ほどの間に、我らがこじょんのびたちにも一大イベントがありました。「闘魂外来」です。 ご存じかもしれませんが、闘魂外来はドクターGで有名な徳田安春先生のご発案によるもので、医学生、研修医、指導医がチームを組んで、ERを受診する患者さんを診察する実践的医学教育の場です。今回は臨床研修上越糸魚川コンソーシアムの主催で当院を会場に開催されました。全国から多くの医学生が集まり、上越糸魚川地域の研修医とともに、初めて出会う患者さんの診療をしました。 指導医側として、徳田先生以下、闘魂外来のコンセプトを共有する指導医(総合診療科)の先生方が全国から集まってくれました。加えてミシガン大学のSanjey Saint先生(New England Journal of Medicineのeditorを務めておられます)にもお越しいただき、国際色・地域色豊かなイベントとなりました。 ありふれた疾患であっても、学生さんたちにとってはすべてが初めての体験です(わが国の大学医学教育は、見学が中心ですから)。震える指先、流れ出す汗、そして熱いまなざしに、彼らの緊張や情熱が凝縮されているように見えました。 思えば小生も医学部六年生のとき、実習先の市中病院で薬剤静注を任され、コントロールできないほど声も手も震えたものです。部屋を後にするとき、聞こえてくる患者さんたちの避難の声に、涙が出てきたものでした。 そんなことを思い出すと、学生さんたちを応援したくなります。いつの間にかわがこじょんのびたちも、学生さんにアドバイスを送っています。彼らにとっても他人事ではなかったのでしょう。共感とともに思わず指導したくなる気持ち。これぞ実践智を伝えてゆくことの本質であり、理想的な屋根瓦方式というべきでしょうか。こじょんのびたちの成長を頼もしく思ったことでした。 闘魂外来のあとは、場所を妙高の温泉に移して懇親会、続いて世の更けるまで症例検討会を行いました。翌日は妙高山のふところに抱かれて、Saint先生の教育回診を受けました。最後に記念写真を撮影し、熱く、忘れられない一泊二日のイベントが終わりました。 実は、闘魂外来は当院には敷居が高いと思っていました。しかしながら、参加してくれた皆さん、準備に奔走してくれたスタッフの方々、全員の熱意に後押しされて、大成功で終了することができました。小生もいつの間にか年をとり、チャレンジ精神を忘れていたことようです。自分の足元を見直す貴重な機会でした。心から感謝、感謝です。 それにしても、Saint先生や総合診療の先生方と話をして感じるのは、その鑑別診断の豊富さです。どうしたらその力を身につけることができるのか。今回参加してくれた学生さんの中にも、すでに研修医を凌ぐような生きた知識を有している方もいます。それは個人的な資質の差なのか、教育の仕方の差なのか。プログラム責任者としては、後者だと思いたいところです。資質の差はあっても、それなりに成長してゆけるような後押しができる研修を実現したい、そう思うわけです。 そんなわけで、小生もバージョンアップせねばなりませぬ(笑)。最近印象に残ったのは、志水太郎先生の「診断戦略」(医学書院)。診断に至るさまざまな思考プロセスについて詳述する、これまでになかった類の本です。新鮮です。そのうちに読書会でも開こうかね、こじょんのび諸君!
2014年07月10日
日本歯科大学新潟病院 臨床研修医の羽生紳太郎です。 7月より4ヶ月上越総合病院にて研修させて頂くこととなりました。 本病院の歯科・口腔外科外来は名前のとおり一般治療だけでなく、口腔外科治療も多く見ることができるので多分野にわたって学びたいと思っています。また、総合病院での歯科ににおける他科との連携についても学べる良い機会なので無駄にしないよう努力したいと思います。 短い間ですが、よろしくお願いします。
2014年07月08日
全国的にうっとうしい梅雨空が続いている。上越もしかり。とはいえ、それを吹き飛ばすワールドカップの熱戦ぶりである。この原稿の時点ではベスト4が出そろったところだが、さすがに伝統国ばかり。どこが栄冠をつかむのか、話題は尽きない。 それにしても、日本代表は振るわなかった。残念であるが、ここは素直に現実を受け止めるべきである。素直というのは、見たくないものを直視し、聞きたくないことに耳を傾けるということだ。そのうえで足りなかったことを分析し、反省すべき点は受け入れ、問題を改善してゆかなければ進歩はない。この評価と省察、修正のプロセスこそが鍵である。 このあたり、医療者としてのありようと共通するところがある。思えば小生、経験や過去の知識に長いことあぐらをかいていた時期があった。研修医や学生諸君とお付き合いするようになり、ようやく自分の至らなさに気が付いて、アセッている毎日である。もっと早く気がついていればと思わざるを得ない。 だからこそ、若い君たちには「素直で」いてほしいと思う。 日本代表は、チームとして成熟していないように見えた。今回のチームは、8年前のジーコ監督のチームに似ていた。どちらも特定の選手を大切にしすぎて(おそらく監督も彼らをコントロールできなかったのではないか)、チームが一つになっていなかった気がする。試合でプレーする選手は、自分のためでなく、チームのためにプレーしなければならない。ベンチの選手たちに敬意をもって、謙虚であるべきだ。ベンチの選手たちは、不満を表してはならない。歯を食いしばってサポートに徹するのも大切な役割である。 医療も同じだ。日本中の病院を探しても、どれだけの施設が患者さんのための本当のチーム医療を実践できているだろうか。チームのひとりとして、自分はその役割を全うできているだろうか。小生には、そうだと言い切れる自信がない。でも、君たち若い世代には、小生のようになってほしくはないのである。 日本代表がコートジボワールに敗れた翌日、医療者を志す地元の高校生たちが、当院に医療体験にやってきた。例年指導医について診療の現場を見学しているのだが、今年は研修医を交えて、彼らの体験談を聞いてもらったり、テーマを決めてディスカッションしたりする時間も加えた。これは思いのほか効果があり、ディスカッションは白熱し、生徒たちの感想文には例年以上に力がこもっていた。 年齢が近い分、高校生にとっては指導医よりも研修医と話した方が心安いことだろう。でも、成功の理由はそれだけではあるまい。 彼らにとっては、医学部を卒業し、国家試験を突破し、医師としてのキャリアを歩み始めた君たち研修医の姿こそが、眩しいロールモデルなのである。そこに君たちのかけがえのない価値があるのだ。日々の研修はうまくいかないことも多く、自信をなくしたり、落ち込んだりすることもあるだろう。でも、そんなときこそ、君たちに追いつきたい、君たちのようになりたいと思っている後輩たちがいることを忘れないでほしい。 そのディスカッションの中で、「自信過剰になって、できないことをできると思ってしまうことは危険だ」という趣旨の意見があった。一理はある。だが、おそらく君たちも生徒たちも、そして指導医と呼ばれる小生たちも、できるはずのことをできないと言いわけして、力を出し惜しみしていることの方が圧倒的に多いのではないだろうか。 それではつまらない。可能性を否定せず、一所懸命でありつづけることの尊さを、ピットで躍動する選手たちが教えてくれる。だからこそ、ワールドカップが人を魅了するのである。
2014年06月02日
日本はいったいいつから二季化(四季ではなく)したというのか。風薫る五月、早苗の揺れる五月のはずなのに、とにかく暑い。小生のような年輩になると、気候の変化に体調がついてゆかず、いささかグロッキーである。 さて、この四月から研修を始めた一年生たちは、さすがに若い。暑さ大歓迎とばかり、日々熱く過ごしているようだ。まだ研修開始後二か月とたたないが、すでにいろんなことを経験したはずだ。 オリエンテーション。今年から研修医だけでなく、全新人職員を対象にプロフェッショナリズムの話を始めたが、頭に残っているだろうか。研修ハンドブックを片手に、臨床研修のあらましを説明した。経験の一つ一つを研修医手帳に記録しているだろうか。 教育回診。こじょんのびのブログにもあるように、自治医科大学のアラン・レフォー先生をお招きして、周術期の患者のケアの要点を学んでもらった。ちょっと流暢すぎる英語だったけれど、どの程度理解できただろうか。Review of systemやバイタルサイン、身体所見から臨床推論をする筋道のABCをディスカッションしたはずだが、手ごたえはどうだっただろう。 日々の研修で患者さんに接するようになったことは言うまでもない。今まではマイペースで、自分の関心や興味を羅針盤にして毎日過ごしていたかもしれないが、患者さんのニーズやそれぞれの診療科のスケジュール、指導医の指示など、「こうしてほしい」「こうあってほしい」という周囲の要請に応えて時間が過ぎてゆく生活に変わったはずだ。何もわからずただただ忙しいけれど、きらきらと輝くものに満ちあふれた、濃密な時間を過ごしているに違いない。 研修はまだ始まったばかりである。これからの一年間で、抱えきれないほど多くの、貴重な経験をするはずだ。二年生を見ればそのことがわかる。一年生には雲の上の存在に映るかもしれないが、去年の今頃は、彼らも彷徨える子羊のようだったのである(笛吹けど動かぬ竹やぶだという意見もあったが(笑))。 すくすくと成長してほしいから、一年生に次のことをお願いしたい。もちろん二年生も、もう一度心に刻んでほしい。 ちゃんとご飯を食べること。規則正しい生活をすること。夜更かしよりも早起きする生活の方が、日中のパフォーマンスは高まるだろう。 素直であること。頑固にならず、一度は先人たちの助言を聞き入れ、試してみることが素直ということである。 毎日十分(enough ではなく、ten minutes です)でいいから、勉強すること。その習慣を身につけることのなかった小生のような苦労を、君たちは味わってはならない。 そして、一日の終わりに、かならずその日を振り返ること。楽しかったか、辛かったか。何が出来て、何が出来なかったか。夜が明けたら、自分が行うべきことは何か。あしたのための省察。それこそが成長の鍵である。 ともに励もう。
2014年05月27日
研修医1年 萩原 昂 皆さん初めまして。4月から上越総合病院でお世話になっている臨床研修医1年次の「こじょんのび」です。 研修=仕事が始まりまだ2ヶ月も経っていないというのに大学を卒業したのが、かなり昔のように感じられ、それだけ濃い2ヶ月を過ごしてきたんだなぁと思っている今日この頃です。 「仕事」というのが初めてなのでそれに慣れるのが精いっぱいで、病棟ではアタフタしている毎日ですが、指導医の先生方がとても親切でやさしいので、恵まれた環境で仕事を始めることができて良かったと思っています。 先日、自治医科大学のアラン先生が来院され、『外科教育レクチャー』が行われました。検査の必要性についての討論、外傷時の診察の仕方等の講義をしていただきました。 私は、外国人の医師にお会いするのが初めてだったのでとても新鮮でした。しかし、英語があまり得意でない私にとっては、先生の話を聞き取ることで精いっぱいで英語の必要性を痛感させられたと共に、とても良い刺激になりました。 まだまだ慣れないことだらけですが、がんばって勉強して有意義な研修生活を送っていきたいといます。皆さん、これからのご指導よろしくお願いします。
2014年04月01日
布施理子先生 この3月で2年間の初期研修が修了します。 2年前の4月のことを昨日のことのように覚えており、こうして振り返ると長いようで短いあっという間の2年間でした。 つらいことも楽しいこともたくさんありましたが、指導医の先生方とはじめコメディカルのスタッフの方々、そして何より地域の方々に支えられ、ここまでくることができました。 皆さんに最後のあいさつに周りながら、やさしく時に厳しく本当の家族のように暖かく見守られ育てていただいたと改めて感じました。 2年間、本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。 岩井玄樹先生 非常に充実した2年間でした。 多くの人に支えられ、今後の人生の方針を立てることができました。 今の自分があるのは、上越総合病院のおかげです。 この病院で研修ができて本当に良かったと思います。2年間、ありがとうございました。 臨床研修上越糸魚川コンソーシアム研修修了式にて
2014年04月01日
雪が溶け、梅が咲き始め、今年も卒業の季節です。当院からも、二年間の初期研修を終えた仲間が巣立ってゆきます。 Q太郎は少しやんちゃで、自分のペースを崩さない青年でした。学生時代に病院見学に来たとき、彼の趣味に合わせてYou tubeで格闘技の動画を見たものでした(笑)。周囲に器用に合わせてゆくタイプではないので、ローテーションのたびに苦労をしたことでしょう。あまり話をせず、一人で考えている時間が多くなった時期もあり、心配をしました。でも、それは杞憂だったようで、自分なりにフィットする術を見つけて、外科系をローテートし始めると堂々とした姿になりました。進路を決めるのにいろいろと迷ったようだけれど、それだけに、自分が選んだ道をまっすぐに進んでほしいと願っています。 P子はとても素直でまじめなレディーでした。彼女の心の中にはいつも、自分の力量に対する不安があったように思います。でも、それが彼女の背中を押すパワーになりました。労を惜しまず、不安を向上心に変えて、どこへでも飛びこんで行きました。その結果、さなぎが繭を破るような成長を遂げました。救急PHSを持たされておろおろしていた日直が夢のようです(笑)。努力して手にした羽根で、大きく飛び立ってほしいものです。 先日の研修修了式では、二人が職員に向けてメッセージを残してくれました。皆、君たちの一所懸命な姿を思い出しながら、うなずいたり、眼がしらを押さえたりしながら聞いていました。語るも涙、聞くも涙。二人が声を揃えて語ってくれた感謝の言葉を、皆が心に刻んだことでしょう。 小生の心に残ったのは、「これからも研修医をよろしくお願いします」と頭を下げた君たちの姿、忘れてはならない姿です。 君たちは、自分の医者としてのスタートをわれわれに賭けている。一方、指導する側にとっては、教育は忍耐を要する、手間のかかる作業です。誰にでも手を抜いたり、妥協したくなるときがあります。わが身を振り返っても、反省すべきことがたくさんあります。でも、それではいけない。君たちの真剣な願いを叶えるように、一途にサポートし続けなければならない。当院の誰もが、心の底からそう思い、行動したくなるような、そんな研修風土を築いてゆきたい。それこそが君たちが残してくれた、プログラム責任者の宿題だと思っています。 4月になれば、後輩たちがやってきます。君たちにもそうしたように、彼らの指導に忙しい毎日が待っていることでしょう。先輩になる現在の一年生たちは、一年間の進歩を実感し、後輩を助けたいと思うことでしょう。 言うまでもなく、そうやって後進を指導するのは、君たちが願っているように、研修医を大切に育みたいからです。でも、それだけではありません。 天塩にかけた君たちが去ってゆくのは、実にさびしい。君たちの人生の節目であることも、新しい門出であることも、祝福しなければならないことも、よくわかっています。でも、君たちに「お世話になりました」と挨拶されたくはない。逃げ回りたいくらいです。そこにいた君たちがいなくなる、そのさびしさを埋めるには、新入生の指導でもしていなければ、やってられない。これもまた、理由のひとつに違いありません。 おめでとう。そしてありがとう。幸運を祈ります。
2014年02月20日
水澤 桂 研修生活が始まって1年近くになりました。 去年の春頃、国家試験も終えたばかりで大量の医学書を傍目に研修が始まりましたが、なかなかアタマでっかちで仕事もうまくはかどらずでした。その分、隣の1、2年上のデキル諸先輩方が輝いて見えたものでした。 時は移り、この1年間、各科の研修ローテーションに加え、週1回の救急当直や糸魚川での外科研修、定期的な外部から講師を招いてのカンファレンスや、ときには沖縄まで実習に行ったりと、大変密度濃く過ごさせていただきました。最近特に研修医同士の話題となることで多いのはプロフェッショナリズムに関してです。ムツカシイ言葉を使ってしまいましたが、研修医でさえ日々の仕事はルーチン化してしまいがちです。たまたま同期が多かった年度のようですが、なおさら互いに良い影響を与えられる医師を目指して日々励んでいます。 さて、また4月には新1年生が入ってきます。大学2年生の時に部活の後輩のために慌てて読みもしないソフトテニスのテキストを買ったのは今では遠い昔。お手本にはまだまだ程遠いですが、彼らから得られるものもまたあるでしょう。 春が楽しみです。
2014年02月17日
早いもので二月ももう半ば。朝の回診のたび、病室のテレビからオリンピックのニュースが流れてきます。患者さんは一喜一憂しているようですが、われわれはいつもと変わらず、研修医諸君と診療を積み重ねる日々です。 羽入選手や平野選手の若い力。葛西選手のベテランの経験力。メダルを獲得したことはもちろん素晴らしい。だが、彼らをここまで引っ張ってきた原動力は何だったのか。わが研修医やスタッフに尋ねてみます。 ほとんどの人は「才能」と答えます。では、才能の本質とはなんでしょう。これはどうやら難しい質問のようで、スカっとした答が帰ってきません。皆さんはどう考えますか。 前回のコラムで、プロフェッショナリズムについての学習会を始めたことを書きました。その後シナリオベースのスモールグループディスカッションを四回行い、最後にプログラム責任者のレクチャーを加えて終了しました。 その後、アンケートに答えてもらいました。その結果は別の機会に発表したいと思っていますが、われらが研修医諸君が楽しくこのプログラムに参加し、議論し、省察してくれたことがよくわかりました。経験したことを振り返り、反省・分析し、シンプルな形にして心に残す作業、すなわち省察こそが行動変容の鍵です。彼らが一所懸命省察してくれたことをもって、このプログラムは半ば成功したと言ってもよいでしょう。参加してくれたこと、アンケートにたくさん意見を書いてくれたこと。心から感謝したいと思います。来年度以降も、さらにバージョンアップして継続開催してゆきたいと思っていますので、みなさん、ぜひ当院で研修をしてください(!)。 感謝といえば、先日日本医療教育プログラム推進機構が主宰する、基本的診療能力評価試験を研修医諸君に受験してもらいました。これは個々の研修医の力量を測ることが目的ではなく、その病院の研修プログラムがどの程度成果を挙げているのか、どこに弱点があるのかを知り、研修プログラムの質の向上に活かすことが目的です。そういう意味では彼ら個人にはあまりメリットはありませんが、皆進んで協力してくれました。素直な彼らに感謝、感謝です。もっとも、受験以降常に競争する風土の中で育ってきた仲間ですから、試験と聞くと血が騒ぐのかもしれません(笑)。ともあれ、どんな結果が出るにせよ、それをプログラム委員会にフィードバックして、君たちの、そして後輩たちの研修に活かしてゆくことを約束したいと思います。 二月は結構忙しくて、その後外国人講師を招いての教育回診もありました。講師は全国の研修病院で活躍している、現役のジェネラリストです。当院にも何回も来ていただいており、すっかりおなじみになりました。 今回は一年生のK君が自分の経験した症例をプレゼンテーションしてくれました。当然、英語です(笑)。資料の準備だけで相当骨が折れたはずだけれど、チェックする側も同じなので(笑)、どうかご容赦を。ともあれ、よく頑張ってくれました。ありがとう。 当日は病歴や身体所見をレビューしながらディスカッションをします。全員がディスカッションに参加してもらえるように、今回は椅子の配置を少し工夫しました。講師の先生もその意図をすぐに理解してくれて、大変賑やかなひとときでした。教育回診の時間はもちろん、その後の懇親会がとても楽しくて、毎回充実感とともに会を締めくくることができます。雪の日本庭園がとてもbeautifulで、皆が喜んでくれたのが印象的でした。 教育回診は、患者さんの訴えに潜む問題点を探し出すための思考プロセス作りだすトレーニングです。話を聞いているだけでも勉強になるけれど、ディスカッションに参加するともっと勉強になります。プレゼンの資料を作ると、もっともっと勉強になります。今年度はこれまで一年生6人のうち4人が担当しましたが、回を重ねるごとにプレゼンの質が上がっています。嬉しい喜びです。努力は嘘をつきません。今後も定期的に開催するので、残ったY君やZ君にも必ず担当してもらいます。心しておくように。 さて、冒頭の才能の本質の話です。いろんな答があってよいと思いますが、今の小生は自分を律して努力し続けることができる力こそ、それではないかと思っています。これはプロフェッショナリズムにも通じる部分でもあるでしょう。年よりの独りよがりな意見かもしれませんが、いかがでしょうか。
2014年01月07日
はじめまして、新潟大学医歯学総合病院の臨床研修センターから来ましたこじょんのびです。10月から約1年間、大学病院の協力病院である上越総合病院にお世話になることになりました。故郷上越に帰ってきて早2か月、大学病院とは違う環境に最初は戸惑いましたが、現在は皆さんに名前を覚えていただき、充実した日々を過ごしています。 さて、去る12月14日に糸魚川総合病院で行われました闘魂外来に参加させてもらいましたので、こじょんのび初投稿させてもらいます。 闘魂外来はNHKの人気番組、ドクターGで有名な水戸協同病院の徳田安春先生が中心となって、全国の医学生や研修医などの若手医師にレクチャーをされるという企画です。 今回、研修医の仕事は医学生が実際の外来に出て診察し、必要な検査を考え、診断し治療を行うといった一連の流れをアシストするというものでしたが、研修医の上にはしっかりと上級医の先生がついてらっしゃるので、たくさんのアドバイスを頂きました。 外来では、後頚部痛や皮膚掻痒感など症候学の本には載っていないような症状を訴える患者さんが来院されましたが、指導してくださる先生方はそれらの鑑別疾患を頻度ごとに指導してくださり、目から鱗の連続でした。 上越総合病院では救急外来を担当させていただき、初診の患者さんを診る機会が多くなりました。闘魂外来で得た経験をいかし、知識の引出しを蓄えられるよう頑張っていきたい思います。