呼吸器内科
- 概要・特色
- 受付時間
- 医師紹介
概要・特色
呼吸器内科領域における疾患の検査・治療に幅広く対応いたします
上越総合病院は2006年4月に新築移転し、現在は多くの診療科と約300の入院病床を備えた総合病院として地域の医療を支えています。
2011年には集中治療病棟(10床)や外来化学療法センターも開設され、現在は常勤医師約80名、臨床研修医約15名とスタッフの人数も徐々に増えてきました。総合病院としての能力を伸ばしつつある病院であり、地域医療における重要性とその責任が増している病院であります。
呼吸器内科グループもその業務の一端を担い、上越地域の医療に貢献し、より良い医療を提供できるように努力しております。
日進月歩の医療の検査・診断・治療技術を取り入れるよう、スタッフも日々知識の向上に努めております。各疾患のガイドラインも参考にし、医療の標準化を意識した上で、患者さまにとってより良い方法は何かを考えます。
また患者さまやご家族さまへの病状説明は検査や治療と同じように重要な医療行為であると考え、分かりやすく丁寧な説明を心がけます。
当科の特色
多くの呼吸器内科領域の疾患に対応いたします。
肺炎や胸膜炎などの感染症、間質性肺炎などのびまん性肺疾患、肺癌、気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群などが主な疾患になります。
外来では、血液検査や胸部レントゲン検査をはじめとして、CTやMRIなどの画像検査、呼吸機能や呼気NO(一酸化窒素)などの生理検査、痰培養や胸水培養などの細菌学的検査、細胞診や組織診などの病理学的検査(癌の検査)なども行うことができます。
必要があれば気管支内視鏡やCTガイド下肺生検、睡眠呼吸モニタリング(ポリソムノグラフィー)などを行うこともできます。
診察や検査の結果を総合的に判断し、内服薬や点滴治療、吸入薬などの治療方針を決定します。
また肺癌治療として、外来化学療法センターで化学療法(抗がん剤治療)を行うことができます。
病棟では、呼吸器内科疾患の入院治療が主に行われています。
呼吸器内科に入院される患者さまは年間で約500人です。内科外来や救急外来からの要請により、緊急入院にも対応しています。患者さまの病態により、集中治療室や感染対策用の陰圧室に入院していただく場合もあります。
呼吸器内科の病棟では、点滴治療(補液や抗生剤、ステロイド、抗がん剤など)や酸素投与、吸入療法などが行われます。
病態に応じて、胸腔ドレナージや呼吸リハビリテーション、高流量酸素療法(ハイフローセラピー)、人工呼吸器などでの治療も行われます。
慢性の呼吸不全状態の場合には、在宅酸素療法も検討いたします。
当院は日本呼吸器学会の認定施設です。
検査・設備
気管支内視鏡
喉頭の局所麻酔後に、経口的にファイバーを挿入し、気管支内の観察や肺の病変の細菌学的・病理学的検査を行います。静脈麻酔による鎮静下に行う場合もあり、外来で行うことができます。
当院では超音波気管支鏡(EBUS-GS、EBUS-TBNA)を使用しており、肺内の結節影の精査に加え、縦隔内のリンパ節生検も行うことができます。院内の病理医と連携し、迅速に結果をお伝えすることを心がけます。
CTガイド下肺生検
気管支内視鏡でのアプローチが難しい病変の場合には、放射線科医師の協力の下にCTガイド下で経皮的に肺生検を行う場合があります。多くの場合、1泊入院での検査となります。
放射線治療
肺癌の治療において、放射線治療は重要な位置を占めています。
根治的に胸部への照射を行う場合もありますし、転移病巣に対して緩和目的に照射を行う場合もあります。
当院では放射線科医師の協力の下に院内での放射線治療が可能です。
気管支動脈塞栓術
肺癌や気管支拡張症などでは、病変部からの出血により喀血が持続する場合があります。
安静や止血剤の点滴などの治療を行っても喀血が持続する場合や、喀血が高度の場合には、放射線科医師の協力の下に気管支動脈の塞栓術が行われる場合があります。
人工呼吸器・高流量酸素療法
肺の疾患で体内の酸素が不足している状態を呼吸不全と言います。一般的に呼吸不全の場合には、鼻カニューレや酸素マスクを使用して酸素吸入が行われます。
呼吸不全が高度な場合、人工呼吸器を使用しての治療も選択する事ができます。気管内挿管(口や鼻からチューブを気管に挿入する)を行って沈静下に呼吸管理を行う高度な人工呼吸装置と、意識を保ったまま非沈静下に行う非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の2種類があります。
人工呼吸器の適応のない方や人工呼吸器を希望されない方の場合、高流量酸素療法(ハイフローセラピー)を選択することもできます。酸素マスクで吸入するよりも高濃度の酸素吸入が可能となります。
睡眠呼吸モニタリング(ポリソムノグラフィー)
睡眠時無呼吸症候群が疑われる患者さまの場合、「睡眠呼吸モニタリング」という検査が行われる場合があります。呼吸の気流や、胸腹部の動き、血中の酸素飽和度、脳波、筋電図など様々なセンサーを付けながら1泊ほど入院で睡眠中のデータを取り、無呼吸の有無やその程度、タイプなどの評価を行う検査です。
電子カルテシステム
当院では2021年2月にそれまでの紙ベースのカルテやオーダリングシステムを一新し、電子カルテシステムへ移行いたしました。
これにより、診療記録、検査オーダー、結果の確認や評価、投薬、予約、会計、文書作成などがすべて端末から行えるようになりました。またデータは院内LANにより共有され、院内のどこにいても電子カルテへのアクセスが可能となっています。
導入前と比較し、業務の効率化、標準化、迅速化が進んだため、より良い医療をスピーディーに患者さまに提供できるようになりました。
主な対象疾患について
- 呼吸器感染症(肺炎、肺化膿症、膿胸、肺結核、非結核性抗酸菌症など)
- びまん性肺疾患(間質性肺炎やサルコイドーシスなど)
- 気管支喘息
- 肺癌
- COPD
- 睡眠時無呼吸症候群